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「黒百合ヒュッテのテラスで逢いましょう」 2004年8月1日〜2日 行程 8月1日 8:15唐沢鉱泉 発 − 9:30分岐 ― 10:30黒百合ヒュッテ(テント設営、昼食)11:45出発 − 12:50東天狗岳(西天狗岳往復)― 14:00出発 ― 15:10黒百合ヒュッテ 8月2日 5:40出発(中山展望台往復) 6:45テント撤収 7:50黒百合ヒュッテ − 9:00 唐沢鉱泉着 暑いっ! 今年の夏の暑さは異常である。東京では連続真夏日の記録を更新しそうな勢いである。この暑さを吹き飛ばそうと我々「山オヤジ登山隊」は、青い空白い雲の下、白馬大雪渓の上を吹き渡る風で涼を得て、標高2100メートルにある白馬鑓温泉で壮大な朝焼けの中、湯につかろうと白馬三山の登山を計画していたのであった。 ところが、この時期には珍しく日本の南海上で台風が発生したのが、登山決行日の約1週間前。天気が気になり、一日に何度も長野・新潟・富山の天気を調べる登山隊の部員たち。当然、天候に関してのメールも頻繁にやり取りされる。最初は、すぐに日本列島を通過して台風一過の絶好の登山日和に恵まれると踏んでいた各部員であるが、この台風の通過速度が異常に遅い。それに加え進む方角が通常進むルートとは反対に太平洋上を北西に進んでいる。 「う〜むっ、動きが読めない....」などと考えるうちに集合日になってしまった。その時点で台風は、近畿地方に最接近していた。とりあえず、いつも通りに金曜日の夜、八王子駅に登山の準備をして集合だ。「行程も含めて行き先・方針などは小屋へ着くまでの車中で考える事とする。」という我々が最も得意とするところの「現場対応」の状況となり、車中での2時間に及ぶ「分別ある大人の会話」の結果、次のようなことが決定された。 ・ とりあえず今晩は、ビールでも飲んで、ゆっくりと「主宰 欧州歴訪の旅」の話でも聞きましょう。 ・ おそらく明日の天気(この時点で予報は雨)では大雪渓を登っても絶好の景色は望めないので、日程を一日減らして1泊2日でいける八ヶ岳(天狗岳)に行き先を変更しよう。 そうすれば今晩は早く寝なくても良いし(とはいっても既に時刻は0時を過ぎている)、明日の朝もゆっくりと寝ていられるし、しこたまお酒を飲んで大丈夫。 てな具合で、大雪渓を吹き渡る涼風も、湯船で拝むご来光も、酒と天気予報の為に変更を余儀なくされたのである。 登山当日は、若干雲があるものの日が差す天候である。小屋を7時前に出発して、駐車場のある唐沢鉱泉に8時頃に到着、準備をして8時15分に黒百合ヒュッテに向かって出発する。 最初は、樹林帯の中を軽く登る。がしかし、なかなかペースがつかめず息が上がる。30分くらい登ったところで先頭を行く主宰がギンリョウソウを発見する。ここで写真をとることを口実にしばし立ち止まって休憩する。ここまではかなりつらかった。苔むした森の中、湿度がとても高い。一汗かいたからか、その後は快調、唐沢鉱泉と渋の湯の分岐に9時30分到着する。ここからゴツゴツした岩の上を行く。足の置き場に困り、バランスを崩しながらも、時々薄日が差す中、黒百合ヒュッテを目指す。 しばらく行くと突然目の前が明るく感じるようになり、木立の間に小屋が見えてくる。黒百合ヒュッテだ。それまで薄曇の中にあった陽射しが急に強くなる。モスグリーンのパラソルが立てかけてあるベンチがまるで南欧のようだ。 まだ時間が早いためか我々以外のテントはなく、一番良さそうな場所を物色してテントを設営する。来る途中にコンビニで購入したおにぎりとかカップラーメンで昼食にする。 荷物をテントに置き、雨具・水だけを持ち天狗岳を目指す。 キャンプ場からすぐの中山峠では東側の展望が開け、2500mの高みに立っていることを実感させてくれる。そこからの天狗岳への登りは、すぐに森林限界を超え、いつのまにか真夏の太陽が照りつける絶好の夏山登山となった。身軽になった我々は岩稜帯をグングン登る。ときどき吹き渡る涼風が心地良い。振り返って稼いだ高度にちょっと驚いたりしながら、1時間強で東天狗岳(2646m)へ到着。360度の大展望が我々を待ち受けていた。 南北に連なる八ヶ岳連峰の稜線全てが見渡せる。主峰赤岳をはじめとして、横岳、硫黄岳、縞枯山と、それぞれが以前登った山の話をはじめる。なんだかうれしくてしかたがない。東側は奥秩父の山々が、西側は諏訪湖までが見渡せて、この眺めを見るために苦労して山に登るのだと改めて感慨深くなる。写真をバシバシ撮った後、男性陣は西天狗岳への往復(30分)に出発。女性部員はのんびりと眺めを楽しむことに・・・。 天狗岳からの下りは、登ったコースとは別の「天狗の奥庭」を通るコース。ここは初めから終わりまで、岩だけの、土の見えない、木も生えていないコースで、まさに天狗が岩から岩へ飛び回っていたかのような道(というかただの岩だらけの坂)である。斜度があるため、膝にかかる負担が重く、空身にもかかわらず、腰を落として下りる場面もあり、なかなか手ごたえ(足ごたえ?)があった。 キャンプ場に戻り、汗を落とし着替えて、乾杯! なんとここでは生ビールがジョッキで味わえる。「う〜ん、これぞ夏休み! プハ〜ッ!」満ち足りた日焼けした面々が杯を酌み交わす。「お〜い、夕飯の支度があるんだぞ・・・」 この日の夕食はチンジャオロース、いわし蒲焼、海草サラダ、ご飯&スープ。下から担いできたワインとともにおいしくいただいた。午後7時、日が落ちるとともに、まぶたも下降してきて、なんと8時には熟睡モード。 翌朝は4時半起床。朝食の後、中山付近の展望台へ。北アルプスの槍ヶ岳、穂高連峰がよく見えて、またまた感動する。キャンプ場に戻り、撤収開始。 昨日登ってきた道をまた下る。登っているとき、ここを下るのはイヤだなと思っていたが、案の定、石の上を渡り歩くように下る道は天狗岳からの下り同様、膝や足首に負担がかかり、あと1時間も歩いていたら膝が笑っていたのは間違いない。 9時過ぎ唐沢鉱泉に無事到着。 早速700円を払い、風呂に飛び込む。日焼けした肌に温泉がしみてしみて・・・ 湯船を独占しながら「極楽、極楽」とつぶやく・・・、ほんとに気持ちのいい温泉であった。 唐沢鉱泉からのジャリ道を車で降りる途中、小さなウリ坊に遭遇。胡桃をひとつ投げてやる。すると、車の後をこれが猪突猛進とばかりに必死で追ってくる。まるで車を母親のように思っているかのようである。その追いかけてくる姿のあまりのかわいさにむやみに振り切るのも酷だとついついアクセルを踏む足も押さえ気味になってしまう。 最後の最後まで楽しい夏休みであった。 東京に帰り、我々の最初に予定していたルートの白馬三山を同じ日に歩いた知人から、「ドピーカンで良かったですね。村営頂上小屋でテントを探したのですが探しきれませんでした。」と言われてしまった。 「何?あの日は晴天だったの?.....。 う〜むっ、やはり登山口近くまでは行ってそこで登るか止めるか判断すればよかったかな?....」 来年からは小屋での前夜祭も堪能できて、登山も計画とおりのルートでいけるように休みをもう一日増やしちゃえっ.....。 |